服育 はじめの物語

服育はじめの物語

「食」を通じ、命のありがたさを頂くように、
「衣」を通じ「命の温もり」を感じてほしい。
そんな願いからこの協会を立ち上げました。

体の内に異物を抱く苦しみがあるからこそ、光り輝く真珠。
自然の恵みであるタデの葉に気の遠くなるような細やかな工程を重ね生まれる藍色。
たった2か月の儚い命の蚕から生み出される、宝石のような光を放つ艶やかな絹糸。

 衣服の源流に多種の生物が介在し、捧げられた命によって洋服や小物は生まれてくるのです。

「食」を通じ、命のありがたさを頂くように、「衣」を通じ「命の温もり」を感じてほしい。
そんな願いからこの協会を立ち上げました。

人間は地球上に存在する生命の中で唯一「衣服」を必要とします。

原始時代は獣の皮を纏い、
やがて植物を繊維に変えることで衣服の文化は豊かに成長し、
現在は化学繊維を含め、
地球上の人口よりも多くの衣服が生産されるようになりました。

やがて、持ちきれないほどの服を買い、溜め込んだ先進国の人びとは、
溢れる衣服の前で、途方に暮れ、捨て方も知らずに困っています。

なぜそのようなことが起こるのか?

「毎日身に着ける衣服のことを家庭や学校では学べない」からなのです。

古来日本人は和服と共に、様々な行事や祭りの作法を通じ、
精神を磨き和装文化伝承してきました。
洋装文化発祥の地、ヨーロッパでも装いを通じマナーやたち振る舞いが
家庭の中で伝承されてきました。

残念ながら敗戦後、アメリカから輸入された「ファッション」に乗り換えることで
「洋装文化」の伝統や学びつがれた知識を知ることもなく、
私たちは和装文化を根幹に持つ「和服」を脱ぎ捨て
「日本の衣装文化の源流」をあっさりと断ち切りました。

結果、ルールもマナーもあいまいな基準となり、
服を売るための媒体として作られた「ファッション誌」がバイブルとなることで
(消費志向のファッション概念)が蔓延してしまったからです。

地球環境の危機が迫る今、
サステイナブル【sustainable】な産業構造に向けてパラダイムシフトが始まっています。
本来の衣服の目的や扱いに対する知識を復活&進化させることは
「未来の地球への大きな貢献への道」へと繋がる大切な扉です。

「トレンド」「買う」「着る」「捨てる」という、
愛情のかけらも感じないお洋服とのつきあい方をそろそろ終わりにし、
地球の未来への貢献に繋がるファッション知識を身に着けましょう!

「毎日身に着けつる洋服の基礎基本を学ぶ」・「命の温もりに感謝する」という2つを目的とし、
アパレル業で学ぶ衣服の知識を一般の方々にわかりやすく広め、
衣装文化の発展に努めてまいります。

 

一般社団法人 国際ファッションエデュケーション協会(服育協会)
代表理事 しぎはらひろ子